真の成長を促す グローバルインターンシップ(リクルートキャリア)

株式会社リクルートキャリア(以下:リクルートキャリア)と合同会社CCC(以下:CCC)との関係は2014年から始まった。「本当の意味で学生の成長を促すインターンシップを創りたい。グローバルリーダーを育成したい」リクルートキャリアの想いに、CCCは人の成長と変容に関する全ての知見とノウハウを持ち寄り、このプロジェクトを支援した。

GLIP(グリップ:Global Leadership Intern Program)が目指していたのは、グローバルリーダーとしての成長の定義を創りそれを定量化すること。そして参加する学生・リクルートキャリアの社員がプロジェクトを通して圧倒的にリーダーシップを成長させること。この目的を達成するため、プロジェクト開始3ヶ月前から頻繁にミーティングを行ない、プロジェクト全体の設計から実施まで関わらせて頂いた。

こうして迎えた2014年夏、リクルートキャリアは、GLIPを開催。グローバルリーダー育成を目的とし、大学生のベトナムでの就業体験を通じて自己成長を促すインターンである。対象はグローバルリーダーを目指す学生、48名。3日間の事前研修から10日間のベトナムの現地企業でのインターンを経て、2日間の事後研修を通じてグローバルリーダーとして活躍するために不可欠である内省力を高め、成長と変容を促す仕組みだ。

2ヶ月に及ぶプロジェクト終了後、学生達には内省力の向上が数値で示され、自己変容が行動の変化として表れている。「GLIPで物事に対する考え方が変わった」という学生まで現れた。メンターであるリクルートキャリアの社員も同様だ。「GLIPを通して、自分が働くことで創り出したい未来がはっきりした」と教えてくれた社員は、その後別プロジェクトのリーダーとして目覚ましい活躍をしているそうだ。

GLIPとリクルートキャリアの想い

リクルートキャリアが実施するインターンシッププログラム、GLIP。学生たちがベトナムに渡り、その地で事業展開する日本企業に2週間インターンとして働くというものだ。


ロゴ

自分を超えろ。世界を超えろ。

社会を動かしたい人にしか、社会を動かすことはできない。

すべては、自分自身の意志から、未来は生まれる。

その強い思いをもった人だけが集まり、本気でぶつかりあう2週間。

自分を変える経験と世界で働く経験に、あなたも挑戦しませんか。

常識も国境も超えて、自分の限界と可能性を超えろ。

その先に、社会を動かす可能性が、きっと見えてくる。


このメッセージの下、初年度の2013年には多数の応募数の中から、48名がベトナム、ホーチミンに渡った。

「人は、価値の源泉」。もう一度この信念に立ち返り、「人の成長とはなにか」にとことん向き合う。トップ企業だからこそ、本質に立ち返り、その問いを改めて社会に問いかけ、業界を牽引していく。GLIPの背景、そこには社内外のため「人の成長」をどこまでも純粋に追求していくというリクルートキャリアの飽くなき姿勢があった。

GLIPが目指すもの

コンセプトは、「グローバルリーダーの育成」グローバル化が一層進んでいくこれからの社会に求められる人材、それは「どんな環境でも自分の信念を信じて行動できる人」自分はどんな人間なのか、なにを大切に生きているのか、どんな未来を創りたいのか。そういった深い自己理解や信念を持つことが、価値観や言葉の違いを乗り越え周りを導く強さとなる。それが、第一線で活躍する人たちへのインタビューを通して見えてきた、次世代のリーダーの姿だった。

そういった「自分軸」を育むためには、困難な環境に身を置くことが一番有効だと考えた。追い込まれたときに立ち現れてくる、感情の揺らぎや頭を覆う思考に正面から向き合うことで、慣れ親しんだ自分の奥に潜む本当の姿に気付き、そこから信念が顕在化してくるからだ。

そうして、異文化であり変化の著しい新興国の1つ、ベトナムのホーチミンを舞台に就業体験を積ませるプログラムが起案された。

CCCへの期待と“場”で成長を促す仕組みづくり

人は、1人で自分の内側を観ていくことは難しい。自分が分かっている範囲でしか観ることができず、また観たくない自分の姿に蓋をしてしまうからだ。だが、自分が漠然とでも感じていることや気付いたことを安心できる仲間に寄り添い聴いてもらうことで、自分の内側により潜っていける。

より学生の内側で深い内省が起こるように、インターンの事前と事後に日本で行われる研修の内容や、ホーチミンに渡航した後の事務局の運営体制などが見直された。事前と事後のプログラムには、通常であれば企業の経営幹部に行うリーダーシッププログラムの内容を応用して組み入れられた。グループごとにメンターを1名つけ、事前研修からインターン期間、そして事後研修まで一貫してそのメンバーを固定し、グループ内での信頼関係が高まるような場で成長を支える仕組みが作られた。さらにホーチミンに移動してからは、常駐するCCCのスタッフ2名が毎日メンターである社員6名と、学生との関わり方などについて対話し内省する時間を設け、メンターのサポートも十分に行える体制が整えられた。

また、本質的な人の成長の在り方を社内外に発信していくという、GLIP当初の目的をよりインパクトのある形で達成するため、GLIPに参加した学生の成長の可視化を試みることになった。そのために、成長の鍵を握る内側を観る力「内省力」が、「俯瞰力」「自己受容力」「つながる力」「探求力」「自己信頼力」の5つに分類され、これらの力を図る40問の診断テストがリクルートキャリアのSPI作成担当者と共に新たに創りあげられ、GLIPの前後で学生に実施することになった。

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その後の動き

GLIPが終了した現在、担当者からこんな話しを聞かせて頂いた。
参加した学生たちがいくつかのグループに分かれてGLIPでの学びを外部に広めるプロジェクトを始めている。事務局は、あくまで学生たちが提案してきたものを支援するという立場を取り、プロジェクトは学生たちの自発性に委ねられているという。

学生たちが自主的に取り組む理由。それは、自分たちがあそこまで大きく学び、変われたのは、GLIPのメンバーがいたからだと感じているからだ。彼らは、自分たちが得た学びを継続させて行くために、またこのメンバーと会い、共に活動することが大事だと考えている。