「人生を縛る『お金』という概念から自由になる 」○○から自由になる(3)
オンラインで対話しながらひとつのテーマを探求していく「○○から自由になるシリーズ」、
第3回のテーマは「お金から自由になる」。
「お金から自由になる」っていうタイトル自体が、「今、自由じゃないでしょ?」と聞かれてるようで、「ぐほっ」てなる(涙)、というのが最初の印象。「お金にしばられている」というのは私にとって相当認めたくない感覚のようです。こわごわと、でも実は興味津々。お金って何?みんなお金とどうつきあってるの?そもそもわたしはお金をどう使って、稼いでるの?2時間半、いろんな問いがどんどん出てくる会になりました。
お金にまつわるみんなの信念… 幸せになる感じしない(笑)!
「お金には信念が凝縮されています。だからまず、自分がお金に対してどんな思い込みを持っているか、見当をつけてみてください。それを見て行くと、自分がお金に対してどんな制限をかけているのか見えてきます。見えてくると、その制限を外す可能性も出てくるから」
始めに、ファシリテーターのみいちゃんからはこんな問いかけがありました。
「お金を受け取ることに対する罪悪感がある」「お金に振り回されている感じがする」「お金を失うことが怖い」…チャットに上げられたみんなの“思い込み”が読み上げられていくにつれ、ずーんと空気が重くなっていく…
「これ、もはやお金で全然幸せになる感じしないねえ(笑)」と、同じくファシリテーターの海さん。
いや本当に、と画面のこちら側でも完全に同意です。お金って、たしかに必要だけど、あんまり考えたくない…あ、もしかしてこれがわたしの思い込み?お金のことを考えるのは、「よくないこと」「すべきでないこと」、更には「はしたないこと」といった思い込みがずるずる出てきました。あたし、お金に対して、こんなにいろいろ思ってたんだな(驚)!
出すのをけちってるのに受け取るのは無理!
「お金は、“使う、払う、出て行く”、というものと、“もらう”というもの、Inとoutというフローで循環するようになっています。みんながこのエネルギーを出し入れしながら循環している、というのがお金というものの実態です。呼吸と同じなんです。吸う、と吐く、のバランスがだいじ。」(みいちゃん)
「呼吸はまず吐くところからなんです。最初は吐ききる。自分のパワーをちゃんと出すことです。それが自己表現という人もいるし、労働だという人もいる。自分の誠意をもって最善を尽くして、息を吐ききってる?毎日。…っていうところがだいじなんです。吐いた息に対して、吸う分量も決まってくる。息を吐くのをけちってるのに吸おうとするのは無理だよね」
呼吸の話に見えますが、完璧なお金の比喩です。お金って本当に呼吸とそっくりなんだな〜。
みいちゃんの話は、人は何に対して深く息を吐けるのか、ということに続いて行きます。
「だから、自分が最大のエネルギーを出せるものをもつか、というのが人生において大事なポイントだと思います」
「出すエネルギー」どこまで高められる?
「今、お金をどう吸って吐いているのかについて、事実と現実を見て行きます。まずは吸う方、受け取る方から見ていきましょう」
「お金を受け取ることについてどんなブロックがあるのか」についてのグループトーク。その後のシェアでは「やりたいことをして稼ぐ」ことについての話題が出ました。
高度経済成長期をがんばってきた親をもつわたしたちの中に根強くある、「苦労の末に報酬がある」という思い込み。でも、その思い込みを越えた先にも、「やりたいことをして稼ぐ」ことのポイントがある、とみいちゃんは言います。
「自分がほんとうにやりたいことで稼ぎたいと思ったら、やることは明確。吐く息をどういう質感まで高められるか、っていうことです。自分が楽しいだけだったら趣味なんです。でも、吐き出しているエネルギーが、他の人にとって受け取りたいものになるっていう循環がおこるとき、お金となって還って来る可能性が初めて生まれる。吐いたものが循環を生み出すのか、消えてなくなるのか。そこが、受け取るという意味でいうとすごくだいじ。人に受け取ってもらえないと吐けないんです。楽しいだけじゃだめ。」
ここ、かなり大事なポイントだと思いました。
わたしが楽しいもの、大事だと思えるものは、他の誰かにとって価値があるものなのかな?…うーん、自信がありません。
「1万円」の価値に自分を懸ける
「自分の存在価値が100%になった時に、受け取れるパイプの太さが最大化します。人に価値判断を委ねた時に、パイプは細くなる。」
それはたとえば“値づけ”の難しさに現れる、とみいちゃんは言います。
「これ高いね、って言われたら自己価値がなくなる、っていう感覚になる。でも、値段の高い低いは完全に相手の主観。そこに右往左往する訳にはいかないんです。自分が1万円って決めたときに1万円の価値を出すんだ、って絶対に妥協しない。自分はフルで出すんだ、それを上回るものを提供できるんだ、って自分がそこに本当に懸けないかぎり、その評価にさらされる感覚が消えない、という感じになります。価値は自己決定することです。」
「受け取らない人たち、値付けを下げる、安売りする人は、勝負して“価値がない”、って思われるのが嫌なんです。自分を表現するのが怖い。自己価値は、自分の表現とは違うんだという区別が大事。もらったお金よりも価値が提供できなかった、ってことは全然あっていいこと。そしたら次それを糧にがんばればいい。勉強したらいいし、いろいろ考えたらいい。でも、それと自己価値をイコールにしないで。」
みいちゃんの言葉を聞きながら、わたし自身のお金と仕事をめぐる事実がひとつひとつ浮かんできます。うんうん、確かに「楽しんでやってることでお金なんてもらえないよ」って思ってたし、「お金出してまでは必要ない」って言われることを全力で避けてました(涙)。いてててて…
Suicaで「ぴっ」とするときに
ここまでで既に相当ぐったり(もちろん心地よさもありますが!)していますが、後半戦はお金を「吐く」ほうのお話です。
「今日使ったお金を書き出してみてください。それを使ったとき、自分は何をしようとして使ったか、考えてみてください。そして、それが消費だったのか投資だったのか、ラベルをつけてみてください」
「何をしようとして、何を満たす為にそのお金を使ったか。」
今まで考えてみたことのない問いです。人参一本を、「今夜、カレーをつくるため」もう少し進んで、「家族に食べさせるため」に買う、というところまでは確かに感覚はあります。でもそれは、何を満たすため?
「わたしは、消費者が消費者であることをやめたとき、購買の力を使って世界が変えられると思っています。」とみいちゃん。
「購買は一票、みたいなもの。ひとりひとりが何に返すためにお金をつかってるのかということに意識的になり、良きものに対してお金を流そう、って、何か次につながってほしいとおもってお金を使ったとき、社会にすごい循環が起こせると思っています。どれくらい意識的にお金を流せるか。自分の使うお金を全部投資に変えられたら、相当豊かになると思います。」
消費と投資に関しては、みいちゃんがしてくれたSuicaの話が印象に残っています。
「改札を通る時に「ぴっ」ってやってる、ってそれだけだったら消費です。こんなに混んでる駅を一所懸命制御している駅員さんがいる。それに対して「ぴっ」ってしてるんだ、って思うと、体験が変わる。そこに人間がいるということを、感じ取れるようになってくるんです。」
ちょっとこれやってみたい、と思いました。お金って使わない日はないし、行為として明確だから、いろいろ実験してみるのに適してる気がします。すぐ変えてみられる、身近なところから動けることってほんとにワクワクします。
見ないふりしてた箱を開けてしまった〜!というおののきから始まり、明日から少しずつ実験していけるの面白そう〜、というワクワク感で終わった今回。お金のことを考えていたのに、いつのまにか働き方や生き方に思いが及んでいました。
日々の実験を通して、わたしが一番心地よくいられる「吸う」と「吐く」のバランスを探求してみたい、そんな風に思っています。
筆者:八田吏(CCCファシリテーター養成講座プロコース3期修了生)
【まとめ動画】(約6分)
○○から自由になるコミュニティ・ラーニング【シリーズ第3回】
〜「人生を縛る【お金】という概念」から自由になる hosted by 由佐美加子
○○から自由になるシリーズ
【○○から自由になるコミュニティ・ラーニング】は、以下の日程で開催する予定です。
テーマは毎回変わりますが、日々充足して生きることに直結する、学校では教えてくれないテクノロジーをシンプルに、誰でもできるように、日々実践できるような内容でご提供します。
また、参加された方、録画動画を視聴された方は、録画視聴した後の感想や、参加後に体験した事のシェア、湧いてきた質問などを共有しながら共に気づきを深めていくことを意図したFacebook非公開グループに参加が可能です。
連続で参加できない場合でも反復と刷り込みと小さな実践を日々重ねていくことをサポートできるように、グループ内で由佐が様々な質問や体験のシェアに答えていきます。
第1回目:5/25(火) 「不本意な反応」
第2回目:6/14(火) 「人生の自作自演ドラマ」
第3回目:7/5(火) 「人生を縛る『お金』という概念」
第4回目:8/11(木・祝) 「何だか分からない罪悪感という感覚」
第5回目:9/28(水) 「得体の知れない【恐れ】」
第6回目:10/26(水) 未定
第7回目:11/22(火) 未定
第8回目:12/13(火) 未定
※時間は各回20時〜22時半を予定。全てオンラインでの開催。
※過去動画は最新でオープンになっている回の申し込みページから購入が可能です。
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