第三の道【第7回】禅僧 藤田一照氏 & アーティスト 楠瀬誠志郎氏: 身体感覚から気づく「本来の自分」を源にして生きる 〜 意識の共鳴と固有の世界観とが交わるところにある叡智 〜

いつ:
2015年9月9日 @ 7:00 PM – 9:30 PM
2015-09-09T19:00:00+09:00
2015-09-09T21:30:00+09:00
どこで:
ルーテル市ヶ谷センター2階
日本
〒162-0842 東京都新宿区市谷砂土原町1丁目1

「世間の常識だから、こうしよう」「組織の体裁どおり、・・・」「パートナーとして、・・・」と他人の価値観を意識して行動を決めていると、「自分の可能性」や「あるがままの自分」について考えた時に答えられないことがあります。また、答えをわかっていても人前でその答えを体現できなかったりすると、「自分はどうしてこうしてしまうのか?」と考えがちです。

自分というものについて思考だけで捉えようとしてもなかなか捉えられません。

今回場を共に創っていただくことを快諾していただいたお二人はいまここに存在している本来の自分に気づき続けることを探求されている方だと思います。第三の道は、幸せな未来の道筋をひとりひとりからつくることを大切にしています。革新的な科学技術や一部のリーダーだけに任せて未来を描くことには限界がきていると考えているからです。今回は、道筋を自分からつくるために大切なテーマだと感じる、「自分」について鵜呑みにしている思い込みや意識を問い直す機会を分かち合うために、身体や自己というものを探求、実験、体現されているお二人をお招きしました。

藤田さんは17年半アメリカで禅を伝えられてきて、禅を人種を超え現代人の腹に落ちるように伝えようとされています。身体や感覚に好奇心をもっていらっしゃり、身体と意識の関係性を探求され、坐禅会での藤田さんの言葉選びには直に身体に触れられているかのような精密さを感じます。藤田さんが伝えられているのは今や形骸化された類の仏教でもなく、何かの目的に対する方法としての仏教とも違う、「仏教3.0」とも呼ばれる、本来の仏教です。

そしてお二人目である、楠瀬さんは日本の発声学の草分け的存在楠瀬一途氏の長男として生まれ、超一流のアーティストであり、子供やリーダーを含んだ人々へのボイストレーニグを通して、良い声をより良くするための長所を伸ばすトレーニングでもなく、悪い声を良くするための問題解決型トレーニングとも次元の違う、ひとりひとりが自分であることの歓びから人生を創る力と、声が持つ、心が動かしみんなで未来をつくる力を伝えられてきて、今も身体が持つ未開の可能性を探求されています。

坐禅と発声という2つの異分野であっても、お二人と話しすると、本来の自分から生きることに安心している歓びと自由さを感じます。藤田さんの語調からは軽やかで柔軟な意識を保ちつつ、今この瞬間に感じたことや気づいたことを素直に分かち合って頂けて、良い悪いの評価判断をこえてあるがままでいることの歓びを感じます。 楠瀬さんは自分の本来の声を知っていらっしゃること自分であることの安心感と自己信頼を感じます。

藤田さんの坐禅会と楠瀬さんのトレーニングを先日体験した時に、共通して何かを感じ、その何かに魅せられました。後日気づいたことは、その共通して感じた何かというのは、「自分についての捉え方が日常の捉え方と違うこと」でした。そして、この捉え方の違いは自由に生きるヒントになると感じました。

坐禅や声の響きの世界、身体と意識についての叡智を分かち合っていただくだけでなく、お二人から何を分かち合っていただいても、共通の基点からの分かち合いになると思います。そして、身体の可能性とは何か、「自分」とは何者か、そして、本来の自分に気づき続けている状態から世界に何を創り出して生きていけるかについて全体で深めたいと思います。

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『第三の道』シリーズについて
私たちは今、大きな文明の過渡期にあります。環境問題や貧困や紛争、社会システムの破綻リスクなどはますます混迷を極めており、何らかの専門性や画期的な科学技術、政治家や類まれなリーダーがある日解決してくれるかもしれないという楽観性だけで将来の道筋を描くことはできません。

この時代に生きる私たち一人一人のつながる集合意識が、これまでの人間の根源的な不安や恐れに駆り立てられたエゴに基づく欲の追求と常に定量的な拡大を追い続ける成長神話に基づいている限り、幸せな未来への道筋は見えてこないのではないでしょうか。

今こそ、私たち一人一人がこのある種の社会システムによって思考停止している、もしくは麻痺している意識や鵜呑みにしている思い込みや考え方に気づき、本来人間としてどう生きるのか、を一人一人が自分自身に問い、探求していく時だと考えます。私たち一人一人の中に今、軸を持つことが、これからの予想のつかない外的環境の変化の中できっと社会の原動力になると信じるからです。

これまでの物質的な豊かさ、成長を追い求める資本主義の競争社会の中で成功や勝つ事を目指して生きることが仮に第一の道とするならば、それを降りたいと思ったら主流となっている資本主義経済システムから離れて山奥で自給自足のような生き方をする第二の道しかないのでしょうか。この2つの道はどちらも外的環境に依存した生き方です。

しかし、本当は外側の環境を変えようとするから何かが変わるだけでなく、一人一人の内にある源となる心や意識の状態が外側の世界を創り出しているとしたら、私たちが探求すべき問いは、自分の生き方の根底にある思想や意識、精神なのかもしれません。

この第三の道というものがどんな道であるのか、何か合意されているわけではありませんし、誰かの理論が既にあるわけではありません。ただ、この道を見いだす上で、何か私たち人間が思い出すべき智慧や叡智があるように感じています。

第三の道は、私たちが新しい時代を創り出していく上で「思い出す」べき、Knowingといわれる智慧や叡智にあたるものを自らの人生の中で体験を通して探求、実験、表現している方々をお招きし、この場に参加していただく皆様と共に、講演という形ではなく、場全体の相互作用、対話を通じてこのテーマを深め、拡げていくことを目的に毎月1回、年間を通してシリーズで開催していきます。

【第7回対談者】

・藤田一照 (ふじた いっしょう)

1954年 愛媛県生まれ。東京大学大学院教育学研究科教育心理学専攻博士課程を中途退学し、紫竹林安泰寺にて曹洞宗僧侶となる。1987年よりアメリカ合衆国マサチューセッツ州西部にあるパイオニア・ヴァレー禅堂に住持として渡米、近隣の大学や仏教瞑想センターでも禅の講義や坐禅指導を行う。2005年に帰国。葉山にて独自の実験的坐禅会を主宰。2010年よりサンフランシスコにある曹洞宗国際センターの所長として日本と海外を往還している。著書に『現代坐禅講義』、共著に『アップデートする仏教』(幻冬舎新書)、『あたらしいわたし』(佼成出版社)など、訳書にティク・ナット・ハン『禅への鍵』、『法華経の省察』、ドン・キューピット『未来の宗教』(以上、春秋社)、スティーブン・バチェラー『ダルマの実践』、デイビッド・ブレイジャー『フィーリング・ブッダ』(以上、四季社)、キャロライン・ブレイジャー『自己牢獄を超えて』(コスモス・ライブラリー)がある。
藤田一照 公式サイト http://fujitaissho.info/

・楠瀬 誠志郎(くすのせ せいしろう)

ボイスストレーニング・発声学の草分け的存在、故楠瀬一途の長男として生まれ、幼少の頃よりボイストレーニング・発声学理論を学ぶ。1977年よりジョセフ・メフュー(表現家)、キャロル・ベイガー(発声学)に師事。1981年よりプロシンガーのトレーニングにあたるほか、伝説の発声学集団「サークル オブ ボイスアカデミー」のテクニカルディレクターとして役者・シンガーの育成・研究にあたる。その後も、数々のボイストレーニングを習得し自己の発声の進化を求める。父楠瀬一途死去の後、父の残した膨大な研究資料をもとに「日本人の生態にあったボイストレーニング」の研究を受け継ぎ未だなおその研究は続いている。2006年に表参道にボイストレーニングスタジオBreavo-paraを設立。また、自己もアーティストとして13枚のオリジナルアルバムを発表し、自己の活動、楽曲提供、他のアーティストプロデュース、舞台音楽、CM音楽など精力的に行い「表現」の素晴らしさ、楽しさ、気持ちよさを伝え続けている。
Breavo-para http://www.breavo-para.com/

▼日時:9月9日(水)午後7:00 ~ 9:30
※開場は午後6:45~

▼場所:(※注 会場がウェスレーセンターから変更になりました。)

ルーテル市ヶ谷センター 2階
〒162-0842 東京都新宿区市谷砂土原町1-1
http://www.l-i-c.com/meetingaccess.html

TEL 03-3260-8621

各線 市ヶ谷駅下車
・JR総武線 地上出口 徒歩7分
・都営新宿線 A1出口 徒歩7分
・東京メトロ南北線・有楽町線 5,6番出口 徒歩2分

▼参加費:5,000円(当日の受付にてお支払いください)

▼主催:合同会社CCC 第三の道企画チーム
http://cc-creators.com/

お申し込みは下記「お申し込みフォームへ」をクリックし、タイトルにイベント名を必ず記載して参加する旨をご記入ください。
もしくは、こちらのFacebookイベントページで「参加」ボタンをクリックしてください。