【第三の道】第6回 佐伯康人氏 〜「奇跡のりんご木村さん流無農薬無肥料農業」x「障がい者雇用」x「農福連携」~ 自然から学ぶあらゆる命が支え合う循環とつながりとは 〜

今回場を共に創っていただくことを快諾していただいた佐伯さんは無農薬・無肥料という、
まさに命そのものをその生命力で育てる、という農業を日本最大級の規模で実践しています。

愛媛県松山市にある佐伯さんの田んぼを見学させてもらった時、佐伯さんは問いかけました。

「どっちが無農薬だと思いますか?」

①カバー写真左の稲:手で握ると【手のひら半分】くらいで握れる太さで、稲穂の数は15個くらい

②カバー写真右の稲:手で握ると【手のひらいっぱい】くらいの太さで、プリプリした稲穂の数は30個くらい

…答えは②。

①は通常の稲の束で、5-6つの苗からできたもの。

②は無農薬無肥料で作った稲の束で、1つの苗からできたもの。

佐伯さんは言います。「苗は肥料を与えられる代わりに、土地の多様な微生物の循環から生まれる豊かな栄養を吸収しようとして、根がどんどん分割し根を張って、こんなに大きくなる」

この言葉には、非常に深い示唆がある気がします。

例えば企業組織でいうと、現場に人と人との有機的な関係性がなく、つながりが希薄な組織では、どんなに優秀な上司が部下を育てようとしてもなかなか人が成長しません。それは現場の土壌が耕されてないから、根がはれない状態にある、とも言えます。

子育てではどうでしょうか。幼児教育で英語や音楽、塾とさまざまな知識を詰め込んだとしても本当の意味でその子の人間として生きる力の土台となる根っこは発達していくのでしょうか。

あらゆる命が支え合い健やかに共生する世界を創り出す、これが佐伯さんのライフワークです。

佐伯さんはご自身の三つ子が出産時に脳性まひを患ったことをきっかけに、障がいがある人も無い人も支え合うコミュニティをつくり始めました。また、「農業は仕事の種類を100種類に増やせる。障がい者は複数の仕事をこなすことは難しくても1種類の仕事を徹底的にやる場合は健常者よりも得意」と、自ら障がい者を雇用し、一人ひとりのあるがままの個性を活かし、百姓として就農してもらうことを通じて障がい者の自立を支援されています。

「三つ子が教えてくれた、みんな生きている、みんな命なんだよ」

「野菜を作っているのではなく、野菜が育つ環境を作っている」

「えん(援・縁・円)を結んで差別や偏見のないユニバーサルな社会を作りたい」

佐伯さんの「えんを結ぶ」生き方、そして、自立就労支援・環境保全・地域活性を通して、人の命、自然の命に向き合う中で培われた智慧を分かち合って頂きます。

ぜひ皆様とこの貴重な場をご一緒できたらと思います。奮ってご参加ください。

***
『第三の道』シリーズについて
私たちは今、大きな文明の過渡期にあります。環境問題や貧困や紛争、社会システムの破綻リスクなどはますます混迷を極めており、何らかの専門性や画期的な科学技術、政治家や類まれなリーダーがある日解決してくれるかもしれないという楽観性だけで将来の道筋を描くことはできません。

この時代に生きる私たち一人一人のつながる集合意識が、これまでの人間の根源的な不安や恐れに駆り立てられたエゴに基づく欲の追求と常に定量的な拡大を追い続ける成長神話に基づいている限り、幸せな未来への道筋は見えてこないのではないでしょうか。

今こそ、私たち一人一人がこのある種の社会システムによって思考停止している、もしくは麻痺している意識や鵜呑みにしている思い込みや考え方に気づき、本来人間としてどう生きるのか、を一人一人が自分自身に問い、探求していく時だと考えます。私たち一人一人の中に今、軸を持つことが、これからの予想のつかない外的環境の変化の中できっと社会の原動力になると信じるからです。

これまでの物質的な豊かさ、成長を追い求める資本主義の競争社会の中で成功や勝つ事を目指して生きることが仮に第一の道とするならば、それを降りたいと思ったら主流となっている資本主義経済システムから離れて山奥で自給自足のような生き方をする第二の道しかないのでしょうか。この2つの道はどちらも外的環境に依存した生き方です。

しかし、本当は外側の環境を変えようとするから何かが変わるだけでなく、一人一人の内にある源となる心や意識の状態が外側の世界を創り出しているとしたら、私たちが探求すべき問いは、自分の生き方の根底にある思想や意識、精神なのかもしれません。

この第三の道というものがどんな道であるのか、何か合意されているわけではありませんし、誰かの理論が既にあるわけではありません。ただ、この道を見いだす上で、何か私たち人間が思い出すべき智慧や叡智があるように感じています。

第三の道は、私たちが新しい時代を創り出していく上で「思い出す」べき、Knowingといわれる智慧や叡智にあたるものを自らの人生の中で体験を通して探求、実験、表現している方々をお招きし、この場に参加していただく皆様と共に、講演という形ではなく、場全体の相互作用、対話を通じてこのテーマを深め、拡げていくことを目的に毎月1回、年間を通してシリーズで開催していきます。

【第6回対談者】

・佐伯 康人(さえき やすと)さん

農業生産法人 ネイティブ・サン 代表
パーソナルアシスタント青空 代表
NPOユニバーサルクリエート 代表理事

メジャーデビューまでした元ロックスター。脳性まひの三つ子を授かったことで障がい者と向き合うように。自社で障がい児童デイサービス事業等を立ち上げると共に、農業法人やNPO法人も設立。「奇跡のりんご」の木村秋則さんとの出会いより、無農薬無肥料農業での障がい者雇用の実現に邁進、障がい者の自立支援を手掛けている

パーソナルアシスタント青空 http://pa-aozora.com/
NPOユニバーサルクリエート http://enmusubi.biz/~uc/

・村中 剛志(むらなか たけし)

合同会社CCC(Co-Creation Creators) パートナー

大学卒業後、日本アイ・ビー・エムに 入社。金融業界を担当するITエンジ ニアを経て、3年間イギリスに赴任。帰国後、8,000人の組織を率いる役員補佐を担当しグローバルオペレーションを学ぶ。その後、IBMビジネスコンサルティングサービスに参画し、翌年年間最優秀賞を受賞。2009年から4年間、中国上海に赴任し、1,000人の中国人をリーダーとして率いる。高給提示による引き抜き、転職が当たり前であり平均離職率が20-30%の中国IT業界において、リーダー就任後1年で給与体系を変えないまま離職率を20%から8%に低減させる。モチベーションをベースにしたマネジメントを得意とする。グローバルの最前線で戦ってきたが、短期オペレーション、株主至上主義の行き過ぎた資本主義に限界を感じ、戦うだけではなく、力を持ちながら、多様性を受容し、新しい世界を創造する重要性に気づき、2012年末、17年働いたIBM退職後独立。

著書『「先読み力」で人を動かす』(2008年出版)は、5万部を超えるベストセラーに。韓国、台湾でも出版される。

合同会社CCC(Co-Creation Creators) http://www.cc-creators.com/

▼日時:7月16日(木)午後7:00 ~ 9:30
※開場は午後6:45〜

▼場所:場所:ウェスレーセンター 2階 Room204

〒107-0062

東京都港区南青山6-10-11 (表参道駅 B1出口より骨董通り 徒歩10分)

http://wesley.or.jp/access/index.html

骨董通りを降ってきてお弁当屋さんがある「南青山六丁目」の交差点を右に曲がって、パーキングエリアの隣りになります。

▼参加費:3,000円
※東京以外にお住まいで参加できない方々にイベント後、イベントの模様を収録した映像のリンクをお送りします。対談や場全体での感想の交換の模様をご覧になれます。当日会場にいらっしゃらないため、参加費は半額にいたします。

▼申し込み&支払い:
□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■
正式なお申し込みはPeatixでチケットを購入された時点で完了致します。
次のリンクからお申し込みください:
http://3rdroad716.peatix.com/ (事前チケットサービス会社Peatixの特設ページへ移動します)

※お支払いにはコンビニ・ ATM・Paypal・クレジットカードが使えます。
※キャンセル料については、コンビニ・ATM払いでチケットを購入した場合のみ、キャンセル1件につき500円のキャンセル料が発生します。
※領収書が必要な場合は、こちら http://j.mp/1yS5gsb をご覧ください。
※事前チケット制度についてお困りの際は、チケットサービス提供会社のヘルプページ http://help.peatix.com/ をご覧ください。
□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■□□■

▼佐伯さんが紹介された映像と記事
映像「えんむすびの力 三つ子が教えてくれたこと」
http://j.mp/1R0JVBL

記事「百人で百姓」
http://j.mp/1R0K0p8

▼主催:合同会社CCC 第三の道企画チーム
http://cc-creators.com/